- 人間と同様に絶対的に安全な手術がないのが現状です。しかし、最善を尽くすことは可能です。当院での手術は、手術前に麻酔に耐えうる状態かを調べる検査を必ず実施し、手術の前には、状態にあわせて静脈点滴や投薬などによる体の準備をしていきます。さらに検査の結果に沿った麻酔薬の選択や、積極的な疼痛管理を行います。
- 高齢であることや、心疾患をはじめとした病気があることは麻酔へのリスクが通常よりもあがることは事実ですが、手術が「できない」わけではありません。上記のように、その状態にあったオーダーメードの麻酔管理などを行っていきます。状態を見極め、詳細なリスクを話し合った上で進めていきます。高齢、持病がある犬や猫だけでなく、特にエキゾチックアニマルは手術ができないというイメージがありますが、そのようなことはありませんのでご相談下さい。
- 手術は執刀者・助手・外回り・麻酔医を配置したチームで行います。最新の医療設備だけでなく、麻酔医による五感を駆使したモニタリングをしながら、最良の麻酔管理の上での手術を実施しております。
- 犬・猫はもちろんのこと、エキゾチックアニマルでも同様のレベルで手術する体制を備えておりますので、手術を希望される場合にはご相談ください。
不妊手術について
*オスは去勢手術・メスは避妊手術とも言います
- 犬、猫、ウサギは多産のため、繁殖行動が強い動物です。そのため性的欲求も強く、ヒトと共存するにはそのストレスが時に弊害になることがあります。そのストレスをとってあげるには、不妊手術が唯一の方法のため、実施をお勧めしています。
- 一方で、「自然のままにしてあげたいので、不妊手術はしたくない」という飼い主様の気持ちがあるのも当然です。しかしながら、動物は健康であれば出産するのが自然なことですので、出産経験がない動物ほど、卵巣子宮疾患(特にウサギは2~3歳を超えると子宮疾患が発生する確率が高いです)や乳腺腫瘍(特に猫は乳ガンが多いです)になる確率が高くなります。 そのため、出産予定のない場合は、それらの病気の発症リスクを下げるためにも、不妊手術をしてあげることが必要なのです。また、オスの場合にも、精巣腫瘍、前立腺疾患、肛門周囲の腫瘍、会陰部のヘルニアなどの発生率は去勢手術の有無で大きく変わってきます。
- 手術可能な時期は、犬・猫のオスは生後6〜7ヶ月、メスは生後6ヶ月以上、ウサギは雄雌ともに6ヶ月以上で手術可能となります(一部の大型犬については、成長してからの手術が推奨される場合があります)。
- 手術には入院を伴いますので、院内の感染症予防のため、1年以内の混合ワクチン接種済みであること(ウサギは除く)や、ノミ・マダニ予防も同時に実施していただくことをお願いしています。
歯石除去処置(スケーリング処置)について
- 口臭、歯垢、歯石が重度である場合、将来的な歯周疾患、また歯周病菌による心臓病などをはじめとした全身疾患の発言を引き起こす可能性があります。日々のケアが大切ですが、特にできてしまった歯石についてはブラッシングやケアグッズなどで除去することはできません。
- 医療的な歯石除去については、無麻酔下での実施は日本小動物歯科研究会などでも推奨されていません。除去中の痛みやストレスの軽減、歯石除去については歯周ポケットへのアプローチが必要であること、超音波装置(超音波スケーラー)による処置や、ポリッシング装置による表面のコーティングが必要であるからです。そのため、当院では術前評価を行なった上での麻酔下で実施していきます。
可能な手術
【犬や猫】軟部組織外科・整形外科・一部神経外科
※心臓および肺葉手術、脳手術、CTやMRI撮影、緊急的に輸血ドナーが必要となる手術など、特殊な機器などが必要なものに関しては、大学病院や提携の二次診療施設と連携をとっていきます
【エキゾチックアニマル】軟部組織外科・整形外科・神経外科(紹介・二次診療も受け付けます)